感染根管を放置するとどうなる?
痛みが引いた後に進むこと【錦糸町】
歯医者で「感染根管です」と言われ、仮のふたをしてもらったら、あれほど気になっていた痛みがすっと引いた。仕事も忙しいので、次の予約は少し先でもいいだろう――。根の治療は通院の回数が多くなりやすく、途中で足が遠のいてしまう方は少なくありません。以前はズキズキしていた歯が、ある日を境に何も感じなくなり、そのまま様子を見ているという方もいらっしゃいます。
この記事では、感染根管を放置するとどうなるのかを、痛みが引いたあとに歯の中や根の先で進むことに絞って解説します。怖がらせるためではなく、「今治療を再開すれば何を選べて、先に延ばすと何が選びにくくなるのか」を知っていただくための内容です。根管治療で行う処置の流れは根管治療のページに、保険と自費の料金の考え方は根管治療の費用を解説した記事にまとめています。錦糸町の周辺で働きながら、通院のタイミングを考えている方の参考になれば幸いです。
痛みが引いても
根の中の感染は止まっていない
感染根管とは、歯の神経(歯髄)が細菌に侵されて働かなくなったあと、根の中の細い管(根管)が細菌のすみかになっている状態を指します。神経が生きているうちは、冷たいものがしみたり、ズキズキ痛んだりして、歯のほうから異変を知らせてくれます。ところが神経が働かなくなると、その知らせが途切れてしまいます。
痛みが消える理由は「治ったから」とは限らない
強い痛みが、ある日を境に急に消えることがあります。この場合、神経が炎症に耐えきれず、働きを失った可能性が考えられます。また、治療中の歯では、根の中の汚れを一部取り除いて薬を入れたことで内側の圧力が下がり、痛みが和らぐこともあります。どちらの場合も、根の中や根の先にいる細菌がいなくなったわけではありません。感じる痛みと歯の中で起きていることが一致しない――これが感染根管の分かりにくいところです。
仮のふたは「次の予約まで」を想定した材料
治療の合間に詰める仮のふた(仮封)は、次の来院までの数日から数週間、外から細菌が入りにくくするためのものです。長く使い続けることを前提にした材料ではないため、少しずつすり減ったり、縁にすき間ができたりします。そこから唾液と一緒に細菌が入り直すと、消毒を重ねてきた根の中が、治療を始める前に近い状態へ戻ってしまうことがあります。予約を延ばすうちに数か月が過ぎていた、というケースで起こりやすい変化です。
外からは見えないまま、骨の中で進む
感染根管の進み方は多くの場合ゆっくりで、外から見える変化が出るまでに時間がかかります。そのため「何も起きていないように見える期間」が長く続き、その間に根の先の骨の中で変化が進む、という順番になりがちです。日本口腔外科学会は、根の先にできる病気について「むし歯(う蝕)が進行し、歯髄に感染が起こり、それが歯根の尖端に波及すると、根尖性歯周炎が生じます。」と述べ、さらに「それが慢性化すると歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)や歯根嚢胞ができます。」と説明しています(参照:公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科相談室「嚢胞(のうほう)」 https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_noho/ )。
先延ばしになりやすい3つの場面
根の治療が止まってしまう事情は人それぞれですが、ご相談を受けていると、次のような場面が重なっていることがよくあります。
- 繁忙期や異動の時期と通院が重なり、予約の変更を繰り返すうちに間が空いた
- 仮のふたで噛めるようになり、困っていることがなくなった
- あと何回通うのかが分からず、次の予約を取らないまま帰ってしまった
どれも珍しいことではありません。ただ、根の中の細菌は予定を待ってはくれないため、再開のきっかけは「痛くなったとき」ではなく「思い出したとき」に置いていただくのがおすすめです。
放置した感染根管が進む段階と
選べる治療の変化
進み方には個人差があり、すべての歯が同じ順番をたどるわけではありません。それでも、目安として4つの段階に分けてみると、放置した場合に何が変わっていくのかがつかみやすくなります。
段階1|細菌が根の中にとどまっている
根の中の管の壁や、枝分かれした細い管に細菌が入り込んでいるものの、根の先の骨にはまだ大きな変化が出ていない段階です。自覚症状はほとんどなく、レントゲンでも目立った影が見られないことがあります。ここで治療を再開できれば、根の中の清掃と消毒を進め、すき間なく薬を詰めることが中心になります。
段階2|根の先で炎症が始まる
細菌や細菌が出す物質が、根の先の小さな出口から外へ漏れ出すと、根を取り囲む組織で炎症が始まります。噛んだときに歯が浮いたように感じる、疲れがたまると歯が重く感じる、といった変化が出やすい時期です。レントゲンでは、根の先の周りに黒っぽい影として写ることがあります。
段階3|膿の袋ができ、骨が失われていく
炎症が長引くと、根の先に肉芽腫や嚢胞と呼ばれるかたまりや袋ができ、その周りの骨が少しずつ失われていきます。膿の逃げ道として歯ぐきに小さなふくらみ(フィステル)ができ、つぶれてはまた現れることもあります。寝不足や体調不良が続いたときに、急に腫れて痛み出すのもこの段階に多い経過です。
段階4|歯を支えきれなくなる
骨が失われる範囲が広がったり、もろくなった根にひびが入ったりすると、根の治療だけでは歯を支える力を取り戻しにくくなります。腫れが頬やあごの下まで広がる場合は、根の治療より先に、腫れや痛みを落ち着かせる処置が必要です。
段階ごとの変化を表で比べる
| 段階 | 歯や体に起きること | 主に検討される治療 |
|---|---|---|
| 根の中だけ | 起きること:自覚症状はほぼない。仮のふたのすき間から汚れが入ることもある | 治療:根の中を清掃・消毒し、すき間なく詰める |
| 根の先に炎症 | 起きること:噛むと浮いた感じがする。レントゲンに影が写ることがある | 治療:根の治療を進めながら、炎症が引いていくかを確かめる |
| 膿の袋と骨の変化 | 起きること:歯ぐきのふくらみ、ときどき強く腫れる | 治療:根の治療を行い、治りにくい場合は外側からの処置も考える |
| 支えきれない | 起きること:歯のぐらつき、腫れが周りへ広がる | 治療:腫れへの対応のあと、抜歯と補い方を検討する |
右の列を上から読むと、段階が進むほど選択肢が「根の中」から「根の外」へ、さらに「歯を残す」から「歯を補う」へと移っていくのが分かります。日本口腔外科学会も、嚢胞について「根管治療(歯の根っこの治療)で治癒することもあります。」としたうえで、根管治療が奏効しない場合などには手術で嚢胞を摘出するとしています。再開が早いほど、根の中からの治療だけで対応できる見込みが残りやすい――放置をおすすめしない一番の理由はここにあります。
その歯だけで終わらない影響
- 根の先で骨が失われると、隣り合う歯の支えにまで影響が及ぶ場合があります
- 腫れを避けてその歯で噛まなくなり、反対側ばかりで噛む癖がつきやすくなります
- 抜歯になった場合は、ブリッジ・入れ歯・インプラントのどれで補うかを考える必要が出てきます
- 被せ物の作り直しが加わると、根の治療とは別の通院と費用がかかります
抜歯や外科的な処置が必要になったとき、その後の歯を補う治療まで同じ医院で続けて受けることについては、次の記事でご紹介しています。
錦糸町で先延ばしにしていた歯を
相談するには
「途中でやめてしまったので、また行きにくい」と感じている方もいらっしゃると思います。当院では、通院が止まった理由を問いただすことはしません。大切なのは、今の歯の状態から治療を組み立て直すことです。他院で始めた根の治療が止まったままになっている場合も、ご相談いただけます。
再開するときに教えていただきたいこと
- 最後に治療を受けた時期と、そのとき説明されたことで覚えている内容
- 仮のふたが取れた、欠けた、においが気になるなど、気づいた変化
- 痛みや腫れが出たタイミング(疲れがたまったとき、お酒を飲んだあと、噛んだときなど)
- 平日と週末のどちらが通いやすいか、仕事の繁忙期はいつか
治療を再開してからの進め方
最初にレントゲンや歯科用CTで、根の中と根の先の状態を確かめます。そのうえで、根の中の清掃と消毒から仕切り直すのか、骨の変化が大きいため別の方法も視野に入れるのかをご説明します。次の予約までの間隔は、仮のふたが持つ期間を目安にしながら、お仕事の予定と照らし合わせて一緒に決めていきます。墨田区の外から通勤されている方も、勤務先の近くで通いやすい医院として利用していただけます。
当院の体制
- 錦糸町駅の南口から歩いて1分、マルイ錦糸町の2階にあり、毎日20時30分まで受付しています。仕事帰りや買い物のついでに、間を空けずに通っていただけます
- 歯科用CTとマイクロスコープを使い、根の先の影の広がりや、細い管の入り口を拡大して確かめます
- その日の処置の終わりに、次回までの過ごし方と、仮のふたが取れたときの連絡方法をお伝えします
- 完全個室の診療室なので、通院が止まっていた事情もお話しいただきやすい環境です
- ご予約はWEB・LINEから。急に腫れてきたときは、お電話でご連絡ください
よくある質問
仮のふたをしたまま半年ほどたっています。今からでも治療を再開できますか?
痛みがまったくない状態でも、治療を最後まで続ける意味はありますか?
歯ぐきのふくらみがつぶれて消えました。もう心配しなくていいのでしょうか?
放置していた歯が急に腫れてきました。その日のうちに診てもらえますか?
長いあいだ放置していた歯は、抜歯になってしまうのでしょうか?
まとめ|感染根管を放置するとどうなる?
痛みが消えても進む変化を知っておく
感染根管を放置すると、痛みが引いたあとも根の中に残った細菌が根の先に炎症を起こし、膿の袋や骨の変化へと進むことがあります。段階が進むほど根の中からの治療だけでは対応しにくくなり、外側からの処置や抜歯を検討する場面が増えていきます。どの段階にあるかは見た目や痛みでは分からず、画像検査で確かめる必要があります。
錦糸町で、治療を途中で止めている歯や、痛みが消えたまま気になっている歯がある方は、まずは現状の確認からご相談ください。
治療を先延ばしにしないために知っておきたい注意点
注意点
- 感染根管治療を受けても、根の形や病変の大きさによっては炎症が残ったり、のちに再び現れたりすることがあります
- 治療を進める途中で、根の先の反応として噛んだときの痛みや腫れが一時的に強まる場合があります
- 神経のない歯は割れやすくなるため、根の治療のあとは被せ物などで補強することが前提になります
- 放置した期間が長い歯では、外側からの処置や抜歯も含めて検討することがあります
- 持病や服用中のお薬によっては、腫れへの対応や処置の進め方を調整します
おおよその費用
感染根管治療は、病気の治療として行う場合には健康保険が使えるのが一般的です。窓口での支払いは、検査や根の中の処置、薬を詰める処置などの点数を合計し、保険の負担割合をかけて決まります。根の数や通院の回数によって変わるうえ、中断していた歯は根の中の清掃をやり直す分だけ回数が増えることもあるため、ここで一律の金額をお示しすることはできません。保険外の方法を選ぶ場合は、マイクロスコープを使う自費の根管治療に50,000〜100,000円、根の穴をふさぐ材料(MTA)を使う処置に10,000円の料金を設けています(いずれも税抜)。詳しくは根管治療のページをご覧ください。
根の治療の各回のお会計は、現金でもクレジットカードでも済ませていただけます。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)に沿う形で、治療を中断している方や痛みが消えたまま様子を見ている方が、放置した場合に起こりうることと注意点を知ったうえで受診を考えられるよう、まとめました。
※治療の経過や回復の早さには個人差があります。
根管治療の関連記事
-
監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。感染がどこまで広がっているかは、見た目や痛みの強さだけでは判断できません。治療を中断している歯や気になる歯があれば、早めに歯科医院で診てもらってください。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。